不思議な夢をみた…

今しがた、起きる直前に見た夢…。どこか不思議だった。眠っている間に見る夢なんて大抵不思議なものではあるけれど。場所や人間関係がちぐはぐだったり、何かに追われていたり、実際の日常では内弁慶の私が他人に対して激高していたり…色々と不思議。でも、今見た夢はどこか…上手く言えないのだけれど…そういった不思議さのさらに先にある不思議さのような…とにかく不思議な感じのする夢だった。







場所は実際に近所にあるおじいちゃんの家。その中にいるのはおじいちゃんと母と私。おじいちゃんはブルーのパジャマに毛糸編みのブルーのベストを着ている。笑顔なのだけれど、もう力があんまり出ない…と言う。私と母はその家のリビングのソファーにいる。その前を力が出ない、と言ったおじいちゃんは、確かにふわりとした危なげな足取りで横切る。『おじいちゃん…』私はその家でおじいちゃんのそういった姿を今までに見たことがない。私の前でおじいちゃんはいつもニコニコしていたし、元気そうにして見せてくれた。



…2年半前…天国に行ってしまう直前までは…。



今日見た夢…。危なげな足取りで歩くおじいちゃんに、夢の中の私は心配しながら、変な話なのだけれど、どこか納得している。おじいちゃんの体力は、私にいつも見せる姿から想像するほど…あるものなのではないのだ、と。おじいちゃんはいつも、私の前では、心配をかけないように…とか、やはり元気なところを見せたい…とか、色々思うところがあって、身体の不調は見せまいとしていたのだろう…と。

そう感じていると、おじいちゃんはふわりと危なげに隣の食卓のある部屋へ行き、そのまま、さらにその隣にあるキッチンのある部屋へ行き…遂にひざをついて、半分這いながらもさらに自力で進み続けた。




実際、おじいちゃんはそういうところがあったのだと思う。人に迷惑をかけないとか、自力で何でもやるとか…。でも、私の知らないおじいちゃんの姿というのもきっとあったはずだと思う…実際は…。




夢の中、遂にひざをついたおじいちゃん。玄関の前の吹き抜けでうつぶせに倒れている。でも、意識はあって、履いている靴を脱がせるよう、誰とも無く頼む。母はテキパキ動くのだけれど…私はもたもたしてしまった。すると、シビレを切らしたおじいちゃん、『早く!』…と、ちょっとイライラして見せる。




実際、おじいちゃんは気が短い、起こると瞬間湯沸かし器のようにすぐか~っとなる…などなど、母から昔から聞かされてきた。おじいちゃんの家で、おばあちゃんが大人の話を私に振ってきて…それが結構収拾がつかなくなると、いつもイライラした様子で『もうやめなさい』…とおじいちゃんは言ってくれたっけ。それは当然、私を気遣ってのことだったけれど。そういうおじいちゃんの姿を見ていると、自分が守られている…と思うことができたっけ。





夢の中、イライラするおじいちゃんを目の前に、あぁ…これもまたおじいちゃんの本当の姿の一面なんだなぁ…、と、どこか腑に落ちるものがあった私。靴を脱いで再びソファーのあるリビングへと3人で戻る。私は、おじいちゃんの具合が悪い…ということに少し落ち込みながらも、その事実にどこか納得しつつ…そして本当のおじいちゃんの一面を見ることのできたような、妙にそのことにも納得しつつ…そのリビングに戻ってきた。

リビングのソファーに戻るおじいちゃん…。そしてその前で絨毯に座りこみながら、ソファーの正面に広がる庭に面した大きな窓の方を見ている私と母。…そして、次の瞬間、後ろを振り返ると…そこにおじいちゃんの姿は無く、あるのは残された温もりだけ。

そうだった…おじいちゃんはもういないのだ…。夢の中の私は、実際の事実として、既におじいちゃんは「2年半前に天国に召された」のだ…ということを思い出す。そして…母を見る。夢の中、母の顔は見えないけれど…たしかにそこにいる母の存在を見ながら、私は泣き出してしまう。そして…母もうなずきながら泣き出す…。夢の中で、私達2人は、「もうおじいちゃんがこの世にいない」、という事実に気付き、納得し、お互いに抱き合って泣き…それでどこか癒されていた…。…もういないはずのおじいちゃんに出会えた…具合はそんなによくなさそうだったけれど、でも笑顔も見れたし、何よりおじいちゃんらしい姿に触れることができた…。…何より、夢の中のおじいちゃんは本当に生きていたのだ…






……そして、目が覚めた。






私にとって、おじいちゃんは特別な存在だった。鬱々とした気分に沈み込んで、私なんて誰からも必要とされていない…と心底思っていた時期にあっても、おじいちゃんだけは私を必要としてくれているように感じられた。おじいちゃんは私を見ると、どんなときにでも、本当に笑顔を見せてくれたから…。母は、おじいちゃんは私が家に来ると元気になる…なんて言っていたけれど、私の方こそ、いつもおじいちゃんに元気付けられていた。おじいちゃんはいつも帰りがけ、私に何故か板チョコをくれた。私のためにいつもそれを用意しておいてくれるおじいちゃんを思うと、それだけで心が温まった。自然と笑顔になれた。本当に、本当に大好きだった。…今だって…。







おじいちゃんは病気で天に召された。11月に入院して、年が明けた1月の終わりに…あっと言う間だった。入院してから、おじいちゃんの笑顔を私は一度も見ることが出来なかった。病気の原因を知らない私は、ごはんも満足にのどを通らず、日に日に弱る一方のおじいちゃんが心配でしょうがなかった。早くよくなって欲しい…と強く思った。でも…私は何も出来なかった。祈ることしか…。

おじいちゃんの本当の病状を知っていたのは、同居しているおじさんだけだったのだ。…私は今でも、何でもっと早く事実を教えてくれなかったのだろう…と強く思う。分かっていれば…もっと外に、祈る以外に私に出来ることがあったのではないか…と。…それ以上に…なんでもっと強く自分は知ろうとしなかったのだろう、と。方法はいくらでもあったはずなのに。



おじいちゃんを失うことは、私にとって強い衝撃だったけれど…それ以上に、その失い方が私は許せなかったのだ。入院してから一度も笑顔を見ることが出来ず…最後の一ヶ月は意識すら危うくなって、私の顔を見ても誰かわからなくなってしまった。私は…今でもあれ以上悲しい経験をしたことが無い。亡くなる少し前…おじいちゃんの病室で2人きり…、おじいちゃんの手を握って話しかけると、おじいちゃんは私の目を確かに見た…と感じた。うつろに開いた目は私の声の方を見て、じっと止まった。私はもう、涙がそこで止まらなくなってしまった。でも、おじいちゃんにもう一度「私」を見て欲しくて、私は話し続けた。そのうち、ふい、と視線が離れた。…もう…再びおじいちゃんが私の目を見て、私を認めてくれることも、私に話しかけてくれることも、何より笑顔で見つめてくれることも…もうないのだ…。その現実に、私は打ちのめされそうだった。…お願いだから、お願いだから…もう一度あの笑顔を見せて欲しい…私だと気付いて欲しい…。

「おじいちゃん、私のことを見て…私だよ?ねぇ…」激しい感情の波におされながら、何度も語りかける私の方向に時折視線を向け、そして再び天井の方に視線が彷徨う…

それから何日が経ったのだろうか…本当に、もう再び私にその笑顔を見せることなく、おじいちゃんは逝ってしまった。それ以来、入院してから病名も告げられず、心身ともに苦しんだであろうおじいちゃんに申し訳ない気持ちと、ただただどうしようもない悲しみが消えることはない…。








あの日以来、私はおじいちゃんの夢を何度も見た。最初は生き生きとしたおじいちゃんが出てきた。何だ、おじいちゃん、ようやく元気になったじゃない。良かった。ようやく笑顔が見れたよ…そう思いながら、目が覚めてようやく現実を思い出す…という感じだった。その後2年以上たって、最近に見る夢では、いつもおじいちゃんが夢に出てきても、「もうおじいちゃんは現実にはいないのだ」と、夢の中ですら夢を見ることが出来なくなっていた。一生懸命、「おじいちゃんのいない現実」を直視しなければ…と現実世界でいつもどこか思っていたから。受け入れなければ…現実を…と。

…しかし、今朝見た夢はどこか違っていた。夢におじいちゃんの姿を認めても、『あぁ、でも本当はおじいちゃんはもういないんだ』、などと夢の中で我に返ったり、現実を見るよう自分に言い聞かせたりすることが無かった。自然に『おじいちゃん』の姿を感じた。最後には…現実を思い出した私は、夢の中で同じく現実を思い出した母と抱き合って泣いてしまったのだけれど。…この夢は何か意味があるのだろうか…久しぶりに「おじいちゃん」の温度を感じる夢だった。…本当に…どこか不思議な夢だった。

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この記事へのコメント

2008年07月14日 01:42
大好きな人との別れは本当に辛くて、いつまでも心に残るよね。
おじいちゃん、まろべえさんに頑張ってね!って語り掛けに来てくれたんだね。
私がおじいちゃんとの別れを受け入れられなかった時、おじいちゃん来てくれました。
私を諭してくれました。
寂しいと思わないでね。って。
まろべえ
2008年07月14日 02:14
Aちゃんさん、コメントをありがとうございます。本当に、大切な人との別れは辛くてずっと心に残ります(´_`。)

仰るように、本当におじいちゃん…今日は語り掛けに来てくれたのかも知れないです。今日の夢は…思わず起きた瞬間に記事を打ち込みたくなるほど(忘れたくなかったのです)不思議な感じのする夢でした…。

Aちゃんさんのところにも、やっぱりお祖父様がいらっしゃったのですね…。大切な人は、この世から旅立っても、もしかしたらずっとどこかで見てくれているのかな…なんて、そんな気がしています。

不思議なことってやっぱりあるものなのだな…とどこか納得できた気がします。本当にコメントありがとうございました(_ _*)
2008年07月14日 19:38
死に別れた、大好きな人と夢の中で再会。
これからも逢えるといいですね。
25年前に亡くなった、大好きだった母親を思い出しました。
逢いたいと思いました。
まろべえ
2008年07月14日 21:00
ナツオさん、コメントをありがとうございました。ね…本当は生で(笑)もう一度逢いたいですが…(涙)

ナツオさん、お母様を亡くされているのですね…大好きだったのですね…逢いたいですよね…。「命ある今を生きる」…それって本当に…ときに切ないです(´_`。)…でも、それが現実であって…命ある者のサダメなのかなぁ、なんてぼんやり思ってみたり。

生きている以上、大切な人との別れは万人にとって避けられないものなのだなぁ…と考えさせられます。ブログ、覘いて下さってありがとうございました(_ _*)

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